故 Algis Renkus 氏 1937(?)〜1997 |
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なぜNASAの名が出てくるのか不思議に思われた方もいらっしゃるかもしれません が、EMILARの元社長の Algis Renkusは、NASAのために、たいへん大きな 貢献をしたことがあります。 1986年1月28日に起きたスペースシャトル「チャレンジャー号」の爆発以後、 NASAは燃料タンクのつなぎ目の強度に対する破壊試験を開始しました。 発射時にスペースシャトル本体にかかる凄まじい振動を地上で再現させるために NASAに選ばれたのはEMILARの大型コンプレッションドライバーEC600でした。 爆発した物と同じ型の燃料タンクを円筒状の構造物で囲って密閉し、それに多数 のEC600をとりつけ、実際に燃料タンクが壊れるまで強烈な超音波で振動を与え、 強度をチェックしたというわけです。 数百Hzの音波を大音量で燃料タンクにぶつけるには、一般的なウーファーでは 全く役不足ですし、かといって2インチ・スロートのコンプレッション・ドライバーでは 500Hz以下が耐入力不足という問題があったため、世界で最も強力なコンプレッション ドライバーだったEC600に白羽の矢が立てられたということです。そしてEC600は 見事役目を果たしました。 |
そして、もう一人、Intersonicsのサブ・ウーファーを発明・設計したTom Danleyも NASAのために仕事をしています。 それは地上では重力のため均一にならないような金属同士を、重力の影響を受け ない無重力の空間で融解させて合金を作るための研究でした。 無重力の状態ではサンプルを空間に固定することが難しいため、周囲から超低周波 の音波をあてて、サンプルがフワフワ動かないようにするための装置が必要だったの で、NASAがTom Danleyに装置の設計を依頼したというわけです。 彼は根っからの学者肌だったので、スピーカーの商売より、NASAの仕事の方に興味 があったようで、こちらの研究開発に没頭し、サブ・ウーファーの開発の方は別の人に 任せてしまい、結果的にIntersonics社は2回ほど転売されてから消滅してしまいまし た。 |
Intersonicsのサブ・ウーファーは自然科学分野でも超低音による象の会話のに研究で 役にたっています。 詳細は こちら をご覧下さい。 |
RADIANのコンプレッション・ドライバーは耐入力が高いということで、気象分野でも 活躍しています。 詳細は こちら をご覧下さい。 |