PAエンジニアへの道

NHKの番組でPAエンジニアを取り上げていました。

【第16回】 2004/7/26(月) ■再放送■ 2004/7/28(水) 深夜 2004/7/31(土)
目指せ!
客席後方ど真ん中
- PAエンジニア -
http://www.nhk.or.jp/shigoto/

なにか懐かしさをおぼえる風景ではありましたが、使用している機材や技術が20年以上前から
進歩していないような感じで、ちょっと複雑な気持ちになりました。


番組では、PAのエンジニアになるためには専門学校へ行くのが普通だという風に紹介して
いましたが、バンド仲間のライブの手伝いから始めたり、自分である程度の機材を揃え、録音
などをしながら耳を鍛えていくという方法もあると思います。数千万円のミキシング・コンソール
でも、廉価版のミキシング・コンソールでも、チャンネル数やバスの系統数が違うだけで、基本
的な構造はほぼ同じですので、自分で自由に使える機材から始めて使いこなせるようになって
いったほうが、進歩は早いと思います。ミキシング・コンソールの使いこなしで最も重要になる
のは、ブロックダイグラムを理解し、それぞれに最適の信号レベルをキープすることです。

また、番組ではグラフィック・イコライザーの使いこなし方が職人芸のように紹介されていました
が、優れたステージ・モニターではハウリングを抑えるためのイコライジングはほとんどしなくても
済むのが当たり前ですし、会場の音響特性が悪くて特定の周波数でハウリングが起きる場合は
パラメトリック・イコライザーの方が確実ですので、もっと使用する機材面で進歩があっても良い
のではないかと思ってしまいました。もちろん、本番中の変化に対応するにはFFTクラスのリアル
タイム・アナライザーが必要になるかもしれませんが、ノート・パソコンでも対応できるのですから
いつまでも勘や慣れに頼るのは時間の無駄のように感じられます。また、測定器を効果的に使え
るようになると、耳も同時に鍛えられますから、自分が聞いている音がよく分かるようになるはず
です。
ちなみに、PCを使って測定できる非常に廉価なソフトが吉正電子のサイトで購入できますので、
一度試してみられてはいかがでしょうか。

続く