この3種類のデータを見て、どのように思われるでしょうか。 一番上のデータはインピーダンス特性から見ても判るように、バスレフの動作が まともではなく、2番目もインピーダンス特性は改善されたものの、中低音域の 周波数特性はダラ落ちになっており、バスレフの反共振周波数が低い割には 重低音の音圧感が得られないという中途半端な特性のままです。 一番下は300Hzから若干能率が下がっていますが、34Hzまで10dB以内に 収まっており、聴感上も低音不足は感じられないようになっています。 実はこの3種類のデータは全て同じエンクロージャーとウーファーの物です。 違いは、なんと吸音材と補強材の入れ方だけです。 1番上は、180リッター程度の箱の容積を減らしてしまうほどの補強材が内部に 取り付けられ、吸音材もタップリ入った状態です。 2番目は吸音材を半分に減らした状態です。これでも、特性としては不十分 ですので、更に吸音材を減らせるように、縦・横・前後にはりめぐらされた補強材 の一部を取り除き、定在波が起きない程度の吸音材を入れた状態の特性が 一番下です。 ティール・スモール・パラメーターを鵜呑みにして、適当にエンクロージャーを 作られる方もいらっしゃいますが、市販の製品でもいい加減な物が多いのです から、自作される場合は測定器を揃えてから作っていただいた方が良いと思い ます。 |